前ページにて、
①全世界債券:全世界株式:金=2:1:0.1(レバレッジ可なら)
②全世界債券:全世界株式:金=1:9:微
このいずれかが投資の正解であることを確認した。
ここまでは理論の話で、今後何十年も変わることはない。
次は実践の話。
ここからはあくまで現時点で話でしかないことに留意すること。
現時点で最良の商品でも、今後、より理論に近い投資商品が出てくればそちらに鞍替えしなければならない。
このブログでも随時追っていくが、理論を理解した皆様なら自分でも判断できるはずである。
長期投資失敗の唯一の要因
基本的に、長期投資をしていて失敗、つまりマイナスで終わるようなことはあり得ない。
それは、私がギャンブルと呼ぶ投資の仕方をしている人も同等である。
例えば米国株のインデックスに投資をしても、最良の投資手法に勝てない可能性が高いだけで、基本的にはプラスになるはずである。
実際、バブル絶頂期という最悪の時期に日本株全力という最悪の投資を始めた人も、その後積み立てをやめなければプラスになっている。
しかし、長期投資を失敗たらしめる行動が一つだけある。
下がったときに、狼狽売りをしたり、積立をやめたりしてしまうことだ。
いくら最良の投資手法を選んだとて、下がるときは下がる。
半値とまではいかずとも、ー40%は覚悟しておく必要がある。
そのときのチャートを後から見た人はこう思う。
「ここで買ったら楽勝じゃん」と。
しかし実際投資していて初めて暴落に遭遇したときに思うのは、
「もっと下がるかもしれない」だ。
毎日毎日マイナスを更新し続ける自分の資産に、平常心でいられる人は少ない。
だから、「長期投資は簡単」などという人は正直何もわかっていない思う。
長期投資のこのストレスに耐えられる人は、意外と多くないはずだ。
リバランスのストレス
だから私はリバランスの恐ろしさにももっと敏感になるべきだと思っている。
複数の資産を組み合わせるなら、リバランスは必須である。
リバランスの適正頻度に理論的な解はないが、様々な研究を読むに年1,2回が適正であるようだ。
つまり、リバランスが必要な長期投資を成功させるためには
・年1,2回のリバランスを忘れない程度には意識しつつ
・暴落してもストレスを感じてしまう程度には意識してはいけない
という曲芸が求められる。
そんなことが多くの人間に可能だろうか。
私は難しいと思う。
②全世界債券:全世界株式:金=1:9:微
理論上は、債券を1割弱組むのが最強の指標μ-σ^2/2最大となる。
全世界株式100%はわずかに及ばない。
しかしこの比率を一つで実現するような投資商品が存在しない以上、自分でポートフォリオを組み、リバランスする必要がある。
そう、リバランスをする必要があるのだ。
リバランスがあって100点の投資方法よりも、リバランスなしで99点の投資方法の方が私はよいと考える。
もちろん差が大きいのであればリバランスありの100点を追い求めるしかないが、
債券を1割入れるかどうかでμ-σ^2/2はわずかしか違わない。
この程度であれば、私は全世界株式100%をお勧めする。
さて、こうなると話は簡単で、あとは一番費用の安い全世界株式インデックスファンドを積立るだけだ。
現在、費用が一番安いのは
・SBIインデックス全世界株式(実質コスト0.13%)
であり、それが買えない証券会社であれば
・eMAXIS slim全世界株式(実質コスト0.2%)
の二択である。
(どちらも買えないのであれば、買える証券会社に口座開設すべきである)
これらどちらかを、100%で積み立てる。
これが、投資の正解である。
①全世界債券:全世界株式:金=2:1:0.1
長らく、②だけが投資の正解であった。
理論上は①の方が期待値が高いのに、個人ではレバレッジがかけられないせいで実現できなかったからだ。
しかし、2019年と2020年に、②足りうる商品がいくつか登場した。
代表的なのが以下の二つである。
②に比べμ-σ^2/2が高い①に近いことが特徴であるが、どちらも理想とは異なる。
・グローバル3倍3分法ファンド
理想との違い
A:金が含まれていない
B:全世界債券が恣意的。日本・米国・ドイツ・イギリス・豪州が等配分となっており、時価総額加重平均になっていない。
・グローバル5.5倍バランスファンド
C:債券比率が高すぎ(全体の約78%)。もう少し世界株式に振るべきだった。
D:コストがちょっと高い。SBIインデックス全世界株式の実質コスト0.13%に5.5倍は0.715なのに、1.089%もかかる。
このうち欠点Bは致命的である。
しかし他の欠点は、②に対する①の圧倒的な優位性を覆すほどのものではない。
従って、現状最も期待値が高い投資方法は「グローバル5.5倍バランスファンド」100%である。
結論
投資の正解は「グローバル5.5倍バランスファンド」100%である。
しかし、欠点CDをどう見積もるかにもよる。②に対する①の優位性を覆すほどのものだと考える人は、「SBIインデックス全世界株式」100%が正解となる。
この2択以外は全て、ギャンブルである。投資ではない。