問題1
上の問題を解いてみて欲しい。
単純な問題だ。
でも正解できる人は1%もいないと思う。
この記事を読めばきっと、「投資の正解は一つ」の意味が分かるはずだ。
A?
90%の人はこう答えるだろう。
Aである、と。
有り金全てをAにぶち込めばよいのだ、と。
なぜなら平均リターンが高いからだ。
Aの平均リターン:(40%-30%+40%-30%)/4 =20%/4 = +5%
Bの平均リターン:(0.5%+0.5%+0.5%+0.5%)/4 =2%/4= +0.5%
確かに、平均リターンはAの方が10倍も高い。
大間違いである。
致命的な間違いだ。
それを選ぶと、お金は減り続ける。
B?
数学的センスのある人は、ちょっと計算してみることだろう。
するととんでもないことに気づく。
A、時間が経つば経つほどお金が減っていく。
「ならBだ。Aがゴミなのだから、Bに全額ぶち込めばよい」
ここが、センスの限界だ。
センスだけではこれが正解だと思ってしまう。
B100%も不正解。
勉強をしないと、正解にはたどり着けないのである。
正解は・・・
正解は「A40%B60%のポートフォリオを組む」である。
(当然、適切なリバランスは必須)
あなたはどこに驚いただろうか。
お金が減っていくはずのAを使うことだろうか。それとも40%という数字の根拠だろうか。
そしてこう思っていることだろう、「そんなわけないだろう」と。
下の図の中央付近を見てほしい。
実際に100万円を
①A100%
②B100%
③A40%B60%
で投資してみたときの4年後の資産を計算してある。
例えば①なら、
1年目:100万円×140%= 140万円
2年目:140万円×70%= 98万円
3年目:98万円×140%= 68.6万円
4年目:68.6万円×70%= 96万円
②の計算も、電卓でも使えば簡単である。
(0.5%と小さいため、複利の効果は四捨五入で消えてしまうほど小さい)
③の計算は電卓でもめんどくさい。Excelで確かめてみることをお勧めする。
計算してみると確かに、
・A100%はマイナス4万円。
・B100%はプラス2万円。
・A40%B60%はプラス5.5万円!
となり、③が一番お金が増える。
まとめ
いかがだっただろうか。
多分、直観と答えが違い過ぎてまだ納得できていない人が多いと思う。
これはもう実際に計算してみるしかない。
ちなみにAの例の4年間のリターンはどんな順番でもよい。答えは「A40%B60%のポートフォリオを組む」である。
99%の人は、どうやってこれを導くのか見当もつかないだろう。
次ページより、体系的に説明する。
この記事を読むのが2週目以降の方へ
・最適レバレッジを40%としているが、理論値は41%の方が近い。
・さらに、実際に計算してみると、本当にお金が一番増えるのは40%でなく38.5%くらいである。
理論値の公式を導く過程で3次以上の項を0とみなす工程があるのだが、本例のリスク35%は3乗しても4.3%程度であり無視できる数値ではない。
これによって理論値41%と正解38.5%で1割近くもずれたものと思われる。
・そもそもリスクとリターンの予測値と実際の値はそれ以上にぶれるものなので、正確に求まるものと思わないこと。理論値が41%と計算されたなら、「まぁ30%~50%のどこかが正解なんだろうな」くらいに捉えること。