幾何平均リターン
前ページにて、平均リターン単体では投資判断に糞の役にも立たないことを解説した。
肝は「期待通りの平均リターンで推移したとしても役に立たない」という点にある。
平均リターン5%の10年後が63%になったりー10%になったりするのだから当然である。
では単体で「期待通りに推移すれば役に立つ」数値はどんなものだろうか。
それが「幾何平均リターン」である。
幾何平均リターンの求め方
平均リターン求め方は大変単純で、
①全部足して
②足した個数で割る
とうものであった(小学生レベル)。
幾何平均リターンの求め方もそれほど難しくはなく、
①全部掛けて
②「1/掛けた個数」乗する
というものである(中学生レベル)。
例えば投資対象Aのリターンが
1年目:40%
2年目:ー30%
3年目:40%
4年目:ー30%
だった場合、この商品Aの4年間の平均リターンは
(40-30+30-40)/4=5%
となったが、幾何平均リターンは
(1.4*0.7*1.4*0.7)^(1/4)=-1%
となる。
平均リターンよりもよっぽど正確に、投資商品Aの性質を表せているのがわかるだろう。
なお、幾何平均リターンと区別するために、平均リターンのことを算術平均リターンと呼ぶこともある。
なぜ幾何平均リターンは使われないのか
平均リターンより正確に、投資商品の性質を表すことができる幾何平均リターンであるが、まず見かけることはない。
どんな投資商品でも、「リターン」と書いてあればそれは幾何平均リターンではなく(算術)平均リターンである。
なぜか。
確かに幾何平均リターンは「単体では」最も優秀な指標だが、
・(算術)平均リターン
・リスク
この「二つの」指標と比べると完全に下位互換だからである。
つまり、幾何平均リターンは(算術)平均リターンとリスクで表せるが、逆は不可能である。
では次にリスクについてみていこう。