最適レバレッジ
重要公式1で、最強の指標について述べた。
では、一番お金が増える最適なレバレッジはいくらだろうか。
実はから簡単に(中学生レベルの知識で)求めることができるので、ぜひ一度自分で考えてみてほしい。
ヒントとして、レバレッジL倍したときの平均リターンはL×μ、リスクはL×σとなる。
最適レバレッジは「μ/σ^2」
この問題を学校の問題風に書き換えると以下のようになる。
Lの関数f(L)=Lμ-(Lσ)^2/2
を最大にするLと、そのときのf(L)を求めよ。
もはや中学校1年生の数学の問題だ。平方完成という解き方を覚えていれば簡単である。
従って答えは
「L=μ/σ^2の時、f(L)は最大値1/2*(μ/σ)^2をとる」
である。
「L=μ/σ^2の時、f(L)は最大値1/2*(μ/σ)^2をとる」が意味するもの
これにより、最もお金が増える最適レバレッジLはμ/σ^2となることが示された。
注目すべきはそのときの最大値1/2*(μ/σ)^2である。
μ/σ、すなわちシャープレシオが出てきている。
これがシャープレシオ最強説の起源である。
シャープレシオ最大の投資商品に最適レバレッジμ/σ^2倍投資すれば、レバレッジが許されるのであれば、シャープレシオが最大のものが利益1/2*(μ/σ)^2を得ることができるのだ。
だが実際に庶民が買える投資商品のうち、レバレッジがかけられるものは米国株と米国債券くらいなものである。
シャープレシオが大きいもの、例えば全世界債券やバランスファンドはレバレッジがかけられない。
シャープレシオ最強説で選んだ商品にレバレッジがかけられない場合、シャープレシオ最強である意味がない。
従って、シャープレシオだけで投資商品を選んではいけない場合が多いのである。
重要公式1,2の使い方
投資商品を選ぶ際、もしレバレッジが自由なら、シャープレシオ最大のものに、重要公式2倍のレバレッジをかけるのが最もお金が増える。
しかし現実の商品はレバレッジ不可である場合が多い。
シャープレシオ最大の投資商品がレバレッジが不可で、かつ最適レバレッジが1以上である場合、大原則である重要公式1に立ち戻って選びなおさなければならない。
これが投資の正解の導き方である。
まとめ
これにて、何か一つだけ投資商品を選ばなければならない場合の投資の正解が導けるようになった。
しかし現実には株、債券、金などを組み合わせて投資することが可能である。
この場合、最適な組み合わせはどうやって選べばよいのだろうか。
次ページ以降解説する。