最終問題
投資の正解は何だろうか。
解答
さて。いよいよこの問題を解くときがきた。
理論は理解したであろう。
理論上、投資の正解は一つである。
しかし、この前提条件はあくまで推測なので、統一の答えにはならない。
なぜならば、前のページで述べたように、
・最強の指標μ-σ^2/2最大の点は、
①各資産のリターン・リスク・相関係数から求める方法
がある。
・シャープレシオ最大の点は、
①各資産のリターン・リスク・相関係数から求める方法
②時価総額加重平均から求める方法
の二通りの方法があるのだが、今後数十年のリターン・リスク・相関係数は誰にもわからない。
従って、ここから先の解き方には個人差が出てくる。
解き方1
過去20年くらいのデータから求め、どちらも①にて計算する方法がある。
調べてもらってみればわかるがこれまで20年ほどは、日本債券と他の資産との相関係数が圧倒的に低かった。
他の資産同士の相関係数は、低くても0.2ほどである。
しかし日本債券は、他のほぼ全ての資産に対し-0.2という驚異的な数値を叩き出している。
こうなると様々な資産でどう①を計算しても、
「最もハイリスクハイリターンな資産(米国株か途上国株かREIT)と日本債券との組み合わせ」
に勝てるものはなく、
・最強の指標μ-σ^2/2最大:日本債券を10~20%、残りをハイリスク資産
・シャープレシオ最大:日本債券を70~90%、残りをハイリスク資産
という答えになる。
そして日本債券をまともな手数料でレバレッジがかけられる商品が現状ないので、下は選べない。
従って、「日本債券を10~20%、残りをハイリスク資産」が答えとなる。
これでもよいのかもしれない。
しかし、「過去の傾向は未来にわたっても同じである」という前提に立っている。
日本債券が今後数十年に渡ってこんな異常に低い相関係数で推移するかどうかわからないので、個人的にはお勧めしない。
解き方2
そこでまず、比較的属人性の小さい②を使ってシャープレシオ最大の点を求めてみる。
債券市場は2京円弱
株式市場は1京円強
金市場は1000兆円 と推定されている。
次に時価総額の大きな資産は銀・仮想通貨・REITの200兆円となっており、債券市場に比べてあまりに額が小さいので無視する。
従って、
全世界債券:全世界株式:金=2:1:0.1
なお、最適レバレッジを計算すると4~5倍程度となる。
なお3資産いずれも、2019年まではまともな手数料でレバレッジがかけられる商品がなかった。2019年および2020年に、これに近い投資商品が販売開始されているのでこれも答えの一つとする。
そして「この3資産に限っては、市場規模が大きいのでリスク・リターン・相関係数の傾向は変わらないだろう」という仮定のもと計算すると、
全世界債券:全世界株式:金=1:9:微
が最強の指標μ-σ^2/2最大のポートフォリオである。
まとめ
以上より、投資の正解となる考え方が導けた。
解き方1→ 日本債券を10~20%、残りをハイリスク資産(おすすめしない)
解き方2→ 全世界債券:全世界株式:金=2:1:0.1(レバレッジ可なら)
全世界債券:全世界株式:金=1:9:微
次、とうとう投資の正解ズバリを解説する。